2017.02.08

浦河町観光ワーキンググループ視察レポート①~釧路~

《平成28年度浦河町観光・まちおこし・ひとづくり事業》

 観光ワーキンググループ視察研修 

¶ 2017/2/4(土)・5(日)

¶ 視察先: クスろ、阿寒湖アイヌコタン、NPO法人阿寒観光協会、大樹町地域おこし協力隊


☞ 浦河町観光ワーキンググループ

浦河町では、浦河町民による主体的かつ自立的なまちづくりの推進を目指し、業種を問わず、様々なメンバーから成るワーキングチームを2015年4月より組織しています。『観光からのまちづくり』を基軸として、これまで『うらかわ旅』ウェブサイトの開設、浦河の「食」のプロモーション映像の作成、多様なテーマによる各種勉強会等を行っています。


今回の視察研修では、『浦河でもこんな場所があったらいいなあ』 『浦河で出来たらきっとおもしろい!』と思えるような取組をしている方々にお会いし、事業内容のヒアリングだけでなく、実際に提供しているコンテンツを体験させていただきました。

参加者は、町内で実際に商いをしている方々、今年より新しく着任された地域おこし協力隊員、浦河でのアイヌ文化の継承を目指しているお二人、観光協会の職員2名の8名。いつも多忙な仕事の合間をぬって、体験プログラムの提供や観光ワーキンググループの運営に携わって下さっている方々です。

さて、1日目、2/4(土)は朝6時に浦河を出発し、いざ目指すは道東・釧路市。

視察研修1日目、最初にお会いしたのはコチラの方々。

釧路の「ひと」の魅力を全国に発信し、ひととひとを繋ぐ市民団体、クスろの皆様!

釧路在住の面白い人・魅力的な人をWebや冊子で紹介し、さらに実際に会いに行くという『ひとめぐりツアー』を主催しています。物見遊山型・マスツーリズムに用いられる、一般にいう観光資源ではなく、魅力的な「人」にスポットをあてたひとめぐりツアー。ショートバージョンではありますが、実際に参加させていただきました!

到着するなりとっても賑やかに迎えて下さったクスろのお三方。代表の夏堀さん(写真左)は地元釧路市のラーメン屋の看板娘さん。本業の傍ら、「釧路を元気にするためになにかしたい!」という一心の下に2014年春より活動されています。副代表の名塚さん(写真中央)は当初は遠隔でクスろの活動に参加していたところ、夏堀さんに触発され昨年東京よりUターン。釧路で生まれ育ち、現在は学生スタッフとして運営に携わっているかしこさん(写真右)。この3人を見ても分かる通り、釧路愛に溢れる若いメンバーが中心となっています。

 

「ひと」めぐりTOUR Short ver. と称し、最初にご案内いただいたのは海を臨める高台の古民家でカレー屋さんを営むイッケンヤカレーコミンの鎗田さん。


店主の鎗田さん自ら築40年の古民家をリノベーションしたというお店の外観。

閑静な住宅街の中、一際目を引くこちらの建物。中はどうなっているのでしょうか?


お店の中は可愛い雑貨がたくさん!

様々なテイストのものが鎗田さんのセンスで散りばめられていて、見飽きることがありません。


店内では、札幌から釧路に移住した多様な経歴を持つ鎗田さんの思う釧路の魅力やお店をオープンさせるまでの経緯などを面白おかしくご紹介いただきました。

クスろ港「ひと」めぐり 鎗田さんの紹介ページはこちら。

☞ 今日ものんびり穏やかに。釧路に移住してきたカレー屋さん

 

 


「ひと」めぐりTOUR、次に向かったのは昨年オープンしたばかりのシェアスペース en.shareplace

 


こちらの建物には、1階にレンタルスペースとカフェ、2階に3つの店舗・工房が入っており女性4人が共同で運営にあたっています。

もともと美容室であった建物をリノベーションし、かつて住居スペースであった2階も現在は店舗として利用しています。

今回の視察に同行した中には浦河の若手建築関係者で構成されている『 URAKAWA YAMORI 』のメンバーもいたので、イッケンヤカレーコミンさん・en.share place のリノベーションや工法についてもとても興味深くヒアリングをしていました。

この日もレンタルスペースでは糸紡ぎワークショップが行われていましたが、そうした『学び』の場を提供し、様々な価値観を持った人々がひとつの『縁』の下に集える場所づくりを進めてきた運営に携わる4人の女性。

工房や店舗一つ一つを見ても、それぞれの好みや志向が反映されているように思えましたが、どこか共通している雰囲気があります。ナチュラルで、置かれている小物ひとつとっても凄くお洒落。 ほっ。とするような空気が建物内に流れていました。

クスろ港「ひと」めぐり en.shareplaceさんの紹介ページはこちら。

☞ 暖かな学び舎『en.shareplace』を取り巻く4人の女性たち


二階中央に入っている Lin+ さん。こだわりの生地や雑貨、こちらの店舗兼アトリエで作られたハンドメイドの作品を販売しています。

 


二階の一番突き当りにあるのは手作りのルームシューズやリース、ナチュラル雑貨を取り揃える Laugh sion さん。

そして今回はこちらも二階に入っているJimi-panさんにて開催される、パン教室を体験させていただきました!


道産小麦と道産酵母を使った生地をこね、ハムやチーズ、チョコレートを入れオリジナルのパンを作ります。


発酵の終わったパンの生地はとってもふかふかしていて暖かい。

体験してみて初めて分かることがたくさんあります。

 


成形の終わったパンはもう一度発酵させ、焼きあがるのを待ちます。

 


焼きあがりました!

浦河の海の見えるパン屋さん・ぱんぱかぱん以西さんとJimi-pan赤間さん。

そしてen.share placeの1階にあるカフェ・コノワカフェにて、クスろの事業内容・ひとめぐりTOURに関するお話を副代表・名塚さんよりいただきました。


クスろでは、釧路の『人』を観光資源とするために、Webサイト『クスろ港』及び冊子『ひとめぐり帖』にて人の魅力を発信しています。メディアを介して釧路を支える魅力的な人々の存在を知ってもらい、ツアーを開催することで実際に人と人を繋ぐ。訪れる人が「また会いに行きたい!」と思ってもらえるような、どこかほっと安らぎを感じられるような、釧路をふるさと・サードプレイスといえるまちにするため、漸進的なアイディアを活かして多岐にわたる活動をされています。

『マスツーリズム』と呼ばれた、大型バスによる大量輸送・短時間滞在・周遊型で物見遊山的な観光が一時代を築いた日本の観光のかたちが、現在は個人志向・交流・体験型なものへと多様にシフトしてきました。

もちろん、遠くから多くの人を惹きつける資源のある地域は地域の観光振興を行うなかで現在も大きな強みとなっていると思います。それでは、浦河のようにいわゆる『観光地』ではない地域の強みとは?決して『観光地』ではないけれども、ここで地域の人々が築いてきた暮らしと、それを支える産業の存在。それは浦河ならではの価値ある資源といえるのではないでしょうか。

釧路の方々の熱いおもてなしを受けて、地域外の人と地域を繋げる、そうした取り組みがもたらす今後の釧路の新しい可能性を感じることの出来た時間でした。

クスろの皆様、イッケンヤカレーコミン鎗田さま、en.shareplaceの皆様ありがとうございました!

 

阿寒編・大樹編についても引き続きリポート致しますのでお楽しみに!

 

 

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